文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。
選挙間近、週末はミニ集会を重ねて、国政報告をする松浪健四郎議員
ここ数年、私が一番多く訪れた国は中国である。私だけではなく、日本の政治家の共通点であろう。かつては、アメリカへ、アメリカへと日本の政治家たちはなびいたにもかかわらず、最近、アメリカへ行く政治家が激減中である。
通信機器の発達で、遠いアメリカへまで行く必要がなくなったのであろうか。唯一の軍事同盟を結ぶ国であるにもかかわらず、どうしても足が遠のく。それでも毎年、日本人はアメリカへ325万人も行く。ハワイ旅行をはじめ、観光客が圧倒的に多いのだ。
しかし、アメリカから日本を訪問されるのは77万人でしかない。アメリカ人からすれば、すでに日本は魅力的な国とは映っていないらしい。というのは、中国人の日本への旅行者は155万人。アメリカ人の倍も多いのに驚くしかない。
観光庁を設置し、外国人旅行者数を増やそうと努める「観光立国ニッポン」は、中国に大きく水をあけられているのである。しかも、日本人は毎年、514万人も中国を訪れている。いまやアメリカよりも中国。これが現実だ。
だからといって、日本人は中国そのものに魅力を覚えているわけではなく、中国の歴史、文化、自然に興味をもっているらしい。いや、安価で海外旅行ができるという一面も見逃せないだろう。くわえて、飛行機に乗る時間も4分の1くらいですむ。
また、中国人の日本への訪問客は、ビジネス客にくわえ留学生がダントツなのである。どの日本の大学でも最も多い留学生は中国人となっている。その傾向はアメリカでも同じだと耳にするから、中国人の国際性に舌を巻く。ちなみに、アメリカの大学で学ぶ外国人は、中国に続いて韓国、日本は3位だという。
私たちが若かった頃、留学先はアメリカの人気が高かった。ところが、豊かになった日本人は、留学そのものを望まない傾向にある。日本社会では、日本の大学を卒業していた方が就職に有利だかららしい。日本の国際性は、まちがいなく後退しているといえる。
アメリカと中国の貿易額は、アメリカの輸出は1兆2千億ドルだ。けれども、輸入となると、アメリカは中国の倍、2兆億ドルも買っている。日本も最大輸出国は中国。経済的にも3国は深い関係にあるのだ。
国家体制が異なっても、人、物、金の交流は増大する一途なのに、こと「北朝鮮問題」となると意見がまとまらない。私は、地政学的な問題ととらえる。北朝鮮と国境を接する中国の立場、これを解せずして中国を語れない。
