文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。
与党アフガニスタン調査団とカルザイ大統領が会談する模様。
半年ぶりにカブールの副大統領府でハリリ副大統領と会った。山崎拓団長の与党調査団としては、カルザイ大統領と会う前に副大統領に質問し、その内容を大統領に質す必要もあった。政権内の意見が一致しているのか、私たちには興味があった。
山崎団長が訪問の目的や日本政府の支援内容について説明をする。具体的に数字をあげての説明だけに、説得力があった。副大統領が笑顔をもらす。同時にハザラ族だけあって、ハザラ族の住む地への援助の要請を忘れない。
「オバマ大統領やカルザイ大統領のタリバーンとの和解策をどう評価するか」の問いに、「タリバーンに穏健派などいるとは思わない。タリバーンと国際テロ集団アルカイーダとは一体である。和解策を主張することは、タリバーンの勝利を導くことになる」と言われた。また、「オバマ大統領は、タリバーンを十分に理解していない」ともハリリ副大統領。
これは大ニュースなのだが、記者たちがどこまで把握できたか、ちょっと気になった。アフガニスタンとパキスタンの関係については、パキスタン政府が軍隊を掌握していないと断じ、不安定だという。それにしても、アフガニスタンよりパキスタンのほうが治安が悪いという。イスラム過激派が台頭してきたからである。
イランとの関係についても質した。イランには貢献してもらっていると語るので、私は「イランとアメリカの国交回復のために労をとったらどうか」と一歩踏み込む。すると、副大統領は、即座に「その気はない」と断じた。両国がアフガニスタンのために働いていてくれるのに、変なことをしたくないという表明だった。カルザイ大統領は、イランを訪問され、支援要請を取りつけたのだろうが、アメリカにも協力すべきではないか。
副大統領は、ときに大統領に対しては批判的であられたが、大統領選挙に話が及ぶと、カルザイ支持を明確にした。当然といえば当然だが、カルザイ氏の3選が現実化していることを教えられた。
アメリカ政府にとって、カルザイ氏の3選が安定感をもたらすような気がするが、それにしてもアメリカ軍やNATO軍の犠牲者が多すぎる。そこにアフガニスタン国内にあっても、様々な意見対立を産む要因がひそむ。
アフガニスタンの“ドロ沼化”が現実のものとなりつつある。アメリカ政府は、強い指導力を発揮して解決策を示して欲しい。カルザイ大統領とも会談したけれど、大統領は急に老けていて、苦悩に満ちていたのが気にかかる。
