文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。
日本体育大学北京オリンピック報告会にて水泳の北島康介と松浪健四郎議員。
アメリカ主導の「6ヶ国協議」は、ヒル国務次官補の努力によって一歩一歩前進しているかに映る。アメリカ政府は、北朝鮮を「テロ指定国」から解除し、核問題解決を急ぐが、なかなかラチがあかない。 北朝鮮に振り回され、いくら会議を開いても、議長国の中国が手を焼くにとどまる。北朝鮮の外交術、交渉術は、民主国家の哲学や常識では通用しないシロモノ。イスラム教国のそれも難しいけれど、私たちの平和観や国益観とは異なるだけに難しい。 私は、イスラム教国での生活体験があるゆえ、それなりに理解できる。一筋縄ではまらない一面もあり、彼らの発想は直線型、単線型であるようにも映るが、実にユニークな面もある。で、問題解決は、そのユニークさを逆手にとる技術が求められる。 北朝鮮との交渉も、日本政府がとる「対話と圧力」では前進しない。拉致問題の解決だけを念頭に交渉するかぎり、解決しないと読む。アメリカの政権が交代するとなれば時間を稼ぎ結論を出そうとしない北朝鮮、日本もいやになるほどたぶらかされている。 アメリカは、北朝鮮と水面下で通じるイラン政策を見直すべきである。アメリカや日本こそが単線型、直線型の手法で交渉している。アメリカ政府は、イランの核問題だけを前面に押し出し、国交回復策を考えようとしない欠点をもつ。私は、イランとアメリカの国交が回復されれば、北朝鮮問題も解決すると思っている。 しかも、政府と政府の交渉だけでは前進しないと考える。民間の外交力を使う必要がある。外交に権威主義など不要で、どうすれば仲良くできるのか、政治は本気になるべきであろう。イランと日本は歴史的に良好な関係にあり、アメリカとイランの仲介に汗をかくべきだと私は考え、そのように行動してきた。 が、アメリカ政府は、イランとの関係修復にそれほど熱心ではないのである。オバマ氏は、直接、アフマディネジャード大統領と会うと言明されていた。私は期待を寄せるが、どうもオバマ氏もブッシュ政策を選択しつつあるのが気にかかる。『チェンジ』して欲しい。 アメリカ国民は、新しい政権に何を期待するのか。金融問題の根は深く、世界中がとばっちりを受け、深刻な不景気に頭をかかえる。オバマ政権には大胆な『チェンジ』が求められる。北朝鮮、イラン問題を解決できずして、何もできないということを述べておきたい。
