「踊るで、しかし」は、毎月第3木曜日にニューヨークで発行される読者参加型のフリーペーパーです
2001年9月の創刊から10〜40代に絶大な人気を誇るお笑い系フリーペーパーとしてNY在住日本人に認知されています。
ライター陣は政治家、お笑い芸人から構成作家までと幅広く、イラスト入り「NY人間図鑑」はNY日本人社会を反映させていると大人気。
毎月開催するクラブイベント情報も掲載中です。

国会発信コラム

1969年から1年半、NYに滞在した松浪健四郎による激励コラム
matsunami

文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。

「無力」

スペースシャトルでの船外活動報告に自民党の宇宙開発特別委員会を訪れた土井隆雄宇宙飛行士と松浪文科副大臣

 どんなに科学技術の進歩が見られようとも、自然のパワーには太刀打ちできない。私はアフガニスタンに暮らして、砂嵐の凄さと脅威を身をもって体験したが、先日のミャンマーのサイクロン洪水には腰を抜かした。
 私たちは台風を風物詩のごとく捉えるくらい余裕があるが、それでも犠牲者を出す。アメリカのハリケーンも怖いが、この度のサイクロン被害は歴史的で死者10万人ともいわれる。あれほどの大型サイクロンに襲われると、デルタ地帯の家屋は瞬時に破壊されるしかなかった。深刻というものではなく、ミャンマーの国家の屋台骨がグラグラになっている。
 そこで各国は支援を開始。日本はシンガポールに支援物資倉庫をもつので、そこから毛布、テント、カンパン、水などを翌日には送った。が、すでに隣国タイは軍の物資を送り届けていた。3番目は中国、そしてインドの順で支援物資が届けられた。
 日本政府は、外国4ヶ所にこの種の倉庫をもつ。外務省の管理だが、毎年、どこかの被災地に送られている。支援にはスピードが求められるから、倉庫は役立っている。
 欧州諸国を中心に、見舞金の申し出、緊急支援の声明が出された。アメリカはUSAIDを通して325万ドルを表明
。さすがと思われたが、イギリスは1000万ドルを出すと表明したから、アメリカの面目は丸つぶれ。イタリアの204万ドル、ノルウェーの200万ドルという援助額をみると、完全にアメリカは立場を失った。
 そこで、アメリカは人的支援を申し出たのだが、ミャンマーの軍事政権は「ノー・サンキュー」。外国からの報道関係者の入国も認めないミャンマーは、私たちの想像するような国家ではなかった。物資と支援金は受領するけれど、外国人の入国は認めないという強い姿勢、これにはブッシュ大統領もカンカン。
 日本政府は、物資を運んだのち、いくら見舞金を出すか検討したうえで、復興計画がまとまれば、それなりに協力することとした。アメリカは当初、大災害と読まなかったのか、ローラ大統領夫人の声明で25万ドルの支援を発表した。が、それは小さすぎたのである。
 被災者は、無数であり、犠牲者数は毎日数万の単位で増加する。日本政府は、独自に復興計画を練っている。海水を浴びて農業が困難になるだろうから、土地改良からすすめる。
 やはり、ここでも日本の役割は技術力。だが、ミャンマーは外国人を入国させないという。国民の被害は政権によって増加されている。

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