「踊るで、しかし」は、毎月第3木曜日にニューヨークで発行される読者参加型のフリーペーパーです
2001年9月の創刊から10〜40代に絶大な人気を誇るお笑い系フリーペーパーとしてNY在住日本人に認知されています。
ライター陣は政治家、お笑い芸人から構成作家までと幅広く、イラスト入り「NY人間図鑑」はNY日本人社会を反映させていると大人気。
毎月開催するクラブイベント情報も掲載中です。

国会発信コラム

1969年から1年半、NYに滞在した松浪健四郎による激励コラム
matsunami

文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。

「海外流出」

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ナショナルトレーニングセンター竣工式典に出席する松浪文科副大臣

日本のプロ野球選手のメジャー流出は、日本のファンを悲しませている。同時にメジャーでの活躍は、日本野球のレベルの高さをも証明してくれている。オンタイムで、日本でもTVを通じて観られるにつけても、流出の続出は、やはり残念である。  流出の原因は、やはりギャラの差、つまり評価の差であろう。次に夢のメジャーリーグで活躍したいという、己への挑戦でもあろう。このままでは、日本のプロ野球は、米メジャーのマイナーとなる恐れがあると私は心配だ。  なぜ、あんなにギャラの差が出るのだろうか。日本のプロ野球関係者は、もっと米メジャーに学ぶべきではないか。いや、野球風土が違いすぎて、比較すること自体おぼつかないという。私なりに理解することはできるにつけても、あらゆる分野のスポーツ選手の待遇に差がありすぎる。  それは、スポーツをめぐって、「産業化」に対する思考が異なりすぎているところにある。たとえば、日本プロ野球は、有力企業の『宣伝媒体』としてスタートを切っている。たとえば、新聞社が発行部数を増加させるために球団を持ったり、電鉄会社が球場へ乗客をより多く運んで売り上げを伸ばすために球団経営を行なってきた。で、現在もこの『宣伝媒体』の域を出ていないのだ。  米メジャーの球団は、きちんとフランチャイズ制を敷き、チケット販売、物品販売、TV放映権等などに見られるごとく、球団は売り手市場としてのビジネスに徹している。そして各球団は戦力の均衡をはかり、「期待感」をファンに売っている。球団の商品こそが試合であり、優勝の可能性を必死になってさぐる。こんな姿勢は日本の球団にあるだろうか。  米メジャーの総収入は、年間6400億円であるのに対し、日本プロ野球は1100億円でしかない。わずか6分の1、これが日米の差だ。しかも、球団の総収入の60%は選手の年俸と定められている米メジャーだから、活躍する選手へは、私たちの想像できぬ額が分配される。日本では、そんなルールはないのだ。  これでは、実力ある日本選手は、どんどん流出することとなろう。日本人には、現在でも、スポーツで金を稼ぐには抵抗感があるらしく、アマチュア精神がプロの世界でも沈澱しているのだ。この意識の差が日米の差だ。  ぼつぼつ日本のプロ球団も独立心をもち、『宣伝媒体』からの脱皮が求められる。でも、私は、内心、無理だと決めつけている者でもある。

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