文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。
東京後援会総会にて挨拶をする二階俊博自民党総務会長
日本の野菜が外国でブームだという。そういえば、外国を訪れて、感心するようなサラダを食したことがない。ニューヨークでも名だたる調理人たちは、日本式野菜を用いるらしい。
日本人ほど品種改良の上手な国民はいない。おそらく、北海道から沖縄まで異なる風土をもつことに起因しているのかもしれぬ。いや、和食は上等な野菜を求めているからかもしれぬ。鍋料理だって野菜が必要だし、その種類は多彩だ。冬場でも豊富な種類の野菜がある。
もはや、果物だけではなく、野菜の輸出も増加中。日本の農業にも希望の光が見えつつある。これは日本食が外国で認知され、普及した賜物であろう。まさに日本文化としての「食」が世界中に定着したといえる。
毎日新聞の報道によると、「沢ワサビ」をノースカロライナ州の会社が栽培しているという。スシ・バーの広がりが、「沢ワサビ」を求めるようになったにちがいない。日本人が栽培しているのではなくて、米国人がやっているのだ。いまやスシ・バーでは、本物のワサビが求められる時代らしい。「もどき」や「加工物」では、客を満足させることができないと聞く。
2年前から栽培を始めたその会社は、生産が追いつかない、と伝えている。そのうち、日本の市場でも米国産の「沢ワサビ」が出回る可能性だってあろうか。工夫すれば、時代を読むことができれば、どこにいても、いろんな商売があるものだと納得させられる。
近年の外国にある日本レストランの料理は、ほとんど国内のものと質においても変わらない。たとえ板前さんが外国人であっても、味覚の点でもヒケをとらないのに感心する。 今春、外国に変な日本レストランが多すぎるという意見があって、農林水産省は正統な和食店を「認証」する制度を検討した。日本製の食材や調味料の普及を目指した意味もあったろうが、批判もあって消失した。
私はニューヨーク滞在中の69年、ウォール街にあった弁当屋さんでアルバイトをした経験がある。「松屋」という店で、主人の工夫能力に驚いた。米国産の物で、いかに和風に転用するか、その能力が問われていたのである。
日本の商社を中心に弁当は売れに売れ、日に1000個を完売するほどだった。私は三井物産や三菱商事で200個を売りさばいた。その想い出が、食文化入門の第一歩であった。
