「踊るで、しかし」は、毎月第3木曜日にニューヨークで発行される読者参加型のフリーペーパーです
2001年9月の創刊から10〜40代に絶大な人気を誇るお笑い系フリーペーパーとしてNY在住日本人に認知されています。
ライター陣は政治家、お笑い芸人から構成作家までと幅広く、イラスト入り「NY人間図鑑」はNY日本人社会を反映させていると大人気。
毎月開催するクラブイベント情報も掲載中です。

国会発信コラム

1969年から1年半、NYに滞在した松浪健四郎による激励コラム
matsunami

文:松浪健四郎(文部科学副大臣)
体大時代、全日本学生選手権優勝を経て、東ミシガン大学にスカウトされる。その後、NYアスレチッククラブ所属選手となり、全米レスリング優勝。専修大教授から1996年より衆議院議員。

「資本力」

上垣熊取町長とともに救急車寄贈の件でマダガスカル駐日大使を尋ねた際。

 100メートル以上の高さを誇るビルが、実に100本以上も建設中なのである。とはいえ、東京以外の都市に元気があるわけではない。名古屋が、やや元気を感じさせる程度なのだ。

 摩天楼と呼称されるエンパイア・ステイトビルを初めて見た時、また昇った時、米国の資本力や技術力の凄さに驚くしかなかった。次々に高層ビルが建ち、国際貿易センターが建設され、NYCが文字どおり世界の中心という印象を与えていた。

 米国は、政治はワシントン、経済はNYCと役割分担がみごとになされている。だから、経済力を謳う象徴的な建造物がNYCには求められてきた。で、林立する天に向かって建つ高層ビル群は、NYCを世界の経済、文化のメッカとの印象を与えてきたと思う。

 日本では、悲しいことに、すべての分野の中心が東京。文字どおり一極集中、第2の都市・大阪は、すでにローカル都市へと落ちた。東京タワーは、ペンキの塗り直しで美しくなっている。二本目のテレビタワーの建設構想もあって、東京は高層建造物の見本市の都になろうとしている。

 NYCは、土地の狭い島であること。高層ビルを建設するに容易な地盤が岩盤であること。それほど大きな地震が起こらないこと。これらの条件が揃って、摩天楼を林立させたのであろう。加えて、エレベーター技術の発達もあろう。すなわち、エレベーターに必要な強いワイヤーロープの製造技術が米国にあったのだ。

 高層ビルの建設と米国の大きな架橋工事は、鉄骨をワイヤーロープで吊る構造になっているから、ワイヤーロープの製造技術は、米国を世界の建築先進国に押し上げた。  当然のことながら、高層ビルは鉄骨によって建てられる。「鐵は国家なり」を、米国は建造物を通じて諸外国に示した好例であろうか。ワイヤーロープの生産は、とても面倒くさい工程となっているに加え、塩酸を必要とするために公害を生む。

 やがて日本も、世界に誇る技術でワイヤーロープを生産できるようになり、米国へも大量に輸出した。日本は米国の繊維産業を殺したが、同時期にワイヤーロープ業界も殺した。  ところが、日本の繊維産業もワイヤーロープ業界も死につつある。中国と韓国に敗れようとしているのだ。資本力を必要としない零細企業の製品だから、といわれている。

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