
文:ミスターM
笑いの観点から社会を正す謎の男
スポーツの秋! とゆーわけで最近草野球にハマっている爽やかスポーツマンことミスターMですけれども、まぁ私たちくらいのレベルになるとお遊びサークル的な素人集団のノリとは一味違いますから、週末ともなれば近所の運動公園を借り切ったりしちゃって割と本格的に練習してるんですよ。 自分で言い切ってしまうのも憚られますけど、そこらの寄せ集めとはレベルの違う我がチーム内においても、一際実力の高いキープレイヤーであるところの私ですからトレーニング内容も過酷を極めます。練習時間の大半はバットでチームメイトの尻の穴をグリグリしたり、ボールを股間に添えて「見て! デカいキ○タマ!」とチームを鼓舞したり、はたまた木の枝でグラウンドの隅にガンダムの絵を描いたりするなど恐らく他のどの選手もマネ出来ないであろう練習メニューを積極的にこなしてますからね。 チームの軸として実力を認められた私の打順は「オマエ基本的にベンチ要員だけど試合に出すとしても下位打線だな」の満場一致の声により主に八番という超重要な役所を担い、さらに守備のポジションは「走れないオマエはキャッチャーやっとけよ」という熱い期待に応えて捕手としてチームを引っ張るまさに攻守ともに中心的存在なわけですよ。 ある日、いつものようにハードトレーニングを、具体的に言うと…バットに跨り魔女の宅急便のマネをしていると、グラウンド隣の広場に小学生くらいのワンパク少年たちが集まって野球をしていました。野球への熱い情熱は大人も子供も変わらないんだなぁと生暖かい眼差しで見守っていたんですが、よく考えると大人だけが整備された有料グラウンドを借りて、子供はその脇のこぢんまりした広場を使うなんて同じ野球を愛する人間としてこんな格差はおかしいと感じましてね、フェンスを越えて少年たちに声をかけました。 「ねぇ、キミたち! グラウンドの方に来ておぢさんらと野球やらない?」なんてまるで難病に侵された子供に対して試合でのホームランを誓ったベーブルースを彷彿とさせるセリフです。伝説の名プレイヤー然とした私の佇まいに恐縮したのか少年は一歩、また一歩と少しずつ後ずさりしていましたからね。 確かに偉大な選手を前にして少年が縮こまるのも無理はありません。野球と子供を何よりも愛する私は彼らの緊張をぼくすためにボールをそっと手にとって股間にあてがい、「ほら見てごらん。デカいキ○タマ」と言うや否や少年たちはクモの子を散らすように一斉に走り去っていきました。 夢中になってランニングに打ちこむ少年たちの後ろ姿に「やはり走り込みは基本だぞ」と私は再び生暖かい視線を投げかけるのでした。

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