
文:ミスターM
笑いの観点から社会を正す謎の男
我々が平和に暮らすために、この地球上からなくさなければならないものは幾多あります。我々の眼前に立ちはだかる諸問題、人類の幸福を脅かすものと言えば例えばエイズやガンなどの病気もそうですが、その他にも戦争や災害、差別、そして何と言ってもヲタクですよ、ヲタク!あのヲタクどもは一体何を考えているのか本当に理解できません。っていうか、他人に理解されないことを旨とするのがヲタクってヤツですからね。こりゃ絶対に共存できない。ヲタクはヤバい。ヲタクだけは勘弁。
まぁね、私の知人にも鈴木っていうガチなヲタクな野郎がいるんです。しかし鈴木という彼の名前を出すと本人もこれを読んでいるかもしれませんし、その他にも何かと問題が起こりそうな予感がするので鈴木という名前は絶対にこの場では公表せず、鈴木の頭文字をとって仮にSと呼んで、鈴木のことは絶対にバレないよう配慮するわけですがこの鈴木…じゃなくてSがまた酷くてその風貌からしてキモチ悪さを徹底的に追求したようなデブでメガネ、おまけに何かのアニメのロボットみたいなのがプリントされたTシャツに霜降りジーンズと何処で買ったのか見当もつかないようなファッションで女性にモテないこと山の如しですから。そしてこのSという生き物は我々とはかけ離れた世界に住んでいるので日常会話もままなりません。こないだなんてテレビを見ながら「そんなこと言うなんてお前は雪城ホノカか!」とかいう全くワケのわからないツッコミを入れていましたからね。誰だよ、雪城ホノカって。何のアニメだよ。私に言わせればそのツッコミに対してツッコミたいわ!
そんな鈴木…いや、Sの未来を案じつつ、これから彼と付き合っていくうちに何だか私までSのようなヲタク的生命体になっていく心配もあって悩みぬいた末にヲタクとは程遠いオサレで社交的な人気者である別の友人Yに相談したんです。「やっぱりヲタクって終わっているよな。ヲタクなヤツを救うには一体どうすればいいんだろう?」私なりに深刻な悩みを抱えていることを察知したのか、Yは私の相談に対して真剣にこう答えてくれました。「バカ! 価値観は人それぞれだろ? ヲタクならヲタクなりに人生の楽しみ方もあると思うし元気出せ! お前は今のままヲタクでいいじゃないか!」
いや、ソッチじゃないんですよ。私がヲタクなSのことを心配しているという話だったはずが、Yがヲタクな私のことを心配しているみたいな展開になっていますから。まるで私がヲタクであるかのような扱いです。何かを勘違いして熱弁を振るうYに対して思わずこうツッコんでしまいました。「そんなこと言うなんてお前は雪城ホノカか!」
おしまい。


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