
文:ミスターM
笑いの観点から社会を正す謎の男
私って奴はなかなかモノを捨てられない性分ですから部屋中に無駄なモノが溢れておりまして「そういえばアレ、どこやったっけ?」なんて日常茶飯事。
こないだなんて印鑑を探しているといつ誰が何のために買ったのか分からない園芸雑誌が見つかりましたからね。撮った記憶のないプリクラが予想外の場所から出てくるなんてザラにありますし、いったい誰の仕業かと。この部屋には私の知らないところで私以外の何者かが住んでいるとしか考えられません。床下に死体が埋まっていても何らおかしくないミステリアスルームです。
毎日がウォーリーを探せというのも楽しいものですが、いささか不便ではあります。ぐうたらな私もやはりここは一念発起して整理整頓を徹底してやろうと思うに至りました。
まずね、部屋の片隅に転がっているコンビニ袋の中に大量のコンビニ袋がパンパンに入ったワケのわからないカタマリなんですが、これは何のために置いてあるのか見当もつきません。おそらく簡易ゴミ袋として使おうなどと考えて、溜めていたものだと思いますが、ゴミ袋自体がゴミになっているなんて本末転倒! とりあえず、このゴミを纏めるために一旦袋づめにしてやろうと思いましてね、それに丁度良いような袋を探しているとなんと目の前にコンビニ袋が! いや~ゴミ同然のコンビニ袋とはいえイザという時には本当に便利ですね。えぇ捨てられません、こうなるとコンビニ袋は捨てられませんとも。
続いて発見したのはネジです。何のネジだかさっぱりですが、見紛うことなくネジです。なぜこのネジ一本だけが置いてあるのか不思議です。こういうのって困りますよね。何のネジか分かりさえすればそれが必要か不要か判別できるのですが、何か大事なものの大事な部分を繋ぎ止めるネジかもしれないと考えると安心して夜も眠れませんから、とりあえず保留ということにしましょう。このままでは捨てるに捨てられませんからね。
気をとりなおして片付けを続けていると今度は古いエロ本が! こんなの今更見ても興奮なんてしませんからゴミ以外のナニモノでもありません。でも捨てる前に少しだけ中身を見てみるとエロさの代わりに懐かしさが込み上げてくるんです。ああ、こいつにはお世話になったなぁなんてね。長年同棲していた女性を邪魔だからという理由で簡単に捨ててしまう、便利で合理的ではありますが私にはそんなことできません。はい、私の負けです。これも捨てられません。
捨てること、これは簡単そうに見えて並々ならぬ勇気と、ある面では非情さをも要します。だからお前は童貞も捨てられないんだとかいうツッコミが聞こえてきそうですが、プライドだけはとっくの昔に捨てていますから多分大丈夫です。

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