「踊るで、しかし」は、毎月第3木曜日にニューヨークで発行される読者参加型のフリーペーパーです
2001年9月の創刊から10〜40代に絶大な人気を誇るお笑い系フリーペーパーとしてNY在住日本人に認知されています。
ライター陣は政治家、お笑い芸人から構成作家までと幅広く、イラスト入り「NY人間図鑑」はNY日本人社会を反映させていると大人気。
毎月開催するクラブイベント情報も掲載中です。

テーマは特に絞らず、日常の中で遭遇する様々なボケに対して、出所のハッキリしない情報や個人的な価値観を拠り所に、熱いツッコミを展開し、刺して刺して刺しまくります。

文:ミスターM
笑いの観点から社会を正す謎の男

オシャレ泥棒

 なんかウダウダしているうちに夏の蒸し暑さはどこへやら、日没時刻も次第に早くなってきましたし、いつの間にかプロ野球のペナントレースも最終章を迎えていますからね。朝夕に肌寒さを感じるこの時期になると、オシャレに敏感な私はいよいよ半袖で街を闊歩する季節だなぁなんてことを考えてしまいます。

 と言うのも神のとんだイタズラで私という生命体はハートに灯る熱い情熱なのか下半身に宿るキモい情欲なのか知りませんが常に炎に包まれていると同時に汗に包まれていますから、秋が深まる頃にようやく半袖一枚で快適に過ごせるようになるんです。秋に半袖と言うことは夏はもちろん全裸ですよ。秘部丸出しで外に出ようものなら忽ちポリスメンにお縄をいただくことになるのですが、後ろ手に縛られて完全に捕らえたかのように見えても噴出する汗でスルスルと縄から抜け出して脱走するわけでして、ウダツのあがらない警部は私を捕まえようと躍起になるんです。まぁナニガタ警部か知りませんが毎度の如く私を取り逃がしてしまい「待てぇ~!」とか「バッカも~ん!」みたいなコトを叫びながらピストルをバンバン撃ってくるわけですよ。でも私だって悪気があって全裸になっているわけではありませんし、むしろ汗をかぶることで罪をかぶせられた被害者的側面もあるということで逮捕はやりすぎじゃねーの?なんて声があがると「いえ、ヤツはとんでもないモノを盗んでいきました。この街の治安です」なんてルパン何世かの名台詞みたいなコトを言ったとか言ってないとか。私も私で「またつまらぬモノを出してしまった」とかルパン何世かのキャラ風なコトをカッコ付けて言ったとか言ってないとか。

 このように天下の大泥棒扱いされるほど汗まみれな夏場ですから、これまでは汗が目に入って前が見えないなんてザラでしたが今なら視界も良好! 全身から犬の死骸みたいなニオイを放つことでお馴染みな私でも最近はそんなに臭くありません。えぇ少ししか臭くありません。つ~か少しは臭いです。と言っても仔犬の死骸くらいのニオイしかしません。いつもは犬クセーけど秋になればキンモクセ~! なんてナイスセンスな爆笑ギャグも思わず飛び出します。

 そんなナイスセンスを誇る街のファッションリーダーこと私が提唱する今秋の注目アイテムはやはりタンクトップ! 「最近ちょっと冷えるようになったね」なんて言いながら滲み出る汗をタオルで拭いつつタンクトップから覗く地肌に冷気をふんだんに取り込むのがイチオシのスタイルです。
 私の行きつけの秘密なオシャレショップをココで思いきって紹介しちゃいますと、カジュアルにもフォーマルにも対応できるシンプルなデザインと豊富なカラー、そしてドメスティックブランドでありながらその製造は海外で行われている有名アパレルブランドのショップがお気に入りでして、まぁ皆さんも聞いたコトくらいならあるでしょうが「ゆにくろ」っていう名前です。そして、この間その「ゆにくろ」で私の今シーズンのファッションを決定付ける衝撃的なアイテムとの出逢いを果たしてしまいました。オフシーズンの商品がワゴンセールで無造作に重ねられ、ほとんどゴミ扱いくらいの勢いで叩き売りされていたんですけど、その中で一際眩い輝きを放つ奇跡の一着が目に止まったのです。ドライタンクトップ! お値段なんと一枚180円!

 いやいや180円ってアンタ、下手したらそこいらで普通に売ってるハンカチや靴下よりも遥かに安い自虐的価格設定ですよ。ワゴンに詰められた商品を掻き分けてマイサイズのタンクトップをありったけカゴにブチ込んだらレジへGO! そしてその足で地元の「ゆにくろ」から隣街の「ゆにくろ」へGO! 世にもおしゃれなショッピングコース、前代未聞の「ゆにくろ」のハシゴを決めてやりました。運送業者の如く各「ゆにくろ」を周り、集めに集めたタンクトップ12枚。これで汗の被害も怖くありません。っていうか、一件目で買ったタンクトップに早速着替えて二件目以降を周りましたから着ているモノと全く同じのを在庫の限り何枚も買っていくミステリアスすぎる客なことは否定しようがないわけで、よく考えると汗の被害よりもそっちの方が怖いような気がします。

 というわけで驚きのプライスに思わず我を失いかけましたが、ユニフォームにしたらちょっとしたスポーツチームが組めるほどの数を揃えて帰宅した後、鏡の前で合わせてみると再び驚きの第二波が到来です。
 いやね、さすがにデザインがシンプルすぎて尚且つ12枚も買い込んだものですから没個性に陥りはしまいかとオシャレな私は案じていたのですが、これが生地の薄さゆえかタンクトップを突き抜けて両乳首がバッチリ浮き上がって見えるんですね。全体的にシンプルな中にも乳首だけはしっかりと自己主張しており、パンチの利いたオリジナリティとなっているわけで文字通り突出したファッションセンスです。そして何だかうっすらしたスケチチが丸出しの裸よりもヒワイに見えてきて夏が過ぎてもナニガタ警部かに追いかけられそうな予感もします。
 ナルホド、180円という、持ってけ泥棒プライスにはそんな秘密があったのですね。
 そりゃないよ~ナニガタのとっつぁ~ん。

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2009

  • 「ご愁傷 Summer Death」
  • 「二次の金貨」
  • 「残酷な便意のテーゼ」
  • 「カクテルをカクシテル」
  • 「キリンさんが好きです。でも、おっぱいの方がもっと好きです。」
  • 「あいらぶベースボーズ」
  • 「邪魔~する奴は♪ 指先ひとぉつで~♪ 花粉症ぉ~♪」
  • 「私を酔わせてどうするつもり?」
  • 「唐揚げ低所得」
  • 2008

  • 「おもいでがおっぱい」
  • 「恋は流れ星」
  • 「キミのハートにホームラン」
  • 「大人は見えないしゃかりきコロンブス」
  • 「ヲタクのヲタノシミ」
  • 「同棲対童貞」
  • 「いけないいけない、ばぁ」
  • 「エレベーターアクション」
  • 「"桜"の字には女が隠れている」
  • 「ヤツはとんでもないモノを盗んでいきました」
  • 「私のサラダ記念日」
  • 「元旦に落胆」


  • 2007

  • ~NY生活向上委員会~
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  • 【J-plaza ブログ
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