
主な登場人物
矢間下 珍司…大阪府出身。大学生。サッカーと料理無しの人生なんて有り得ないと豪語
獅子戸 貝子…東京都出身。ダンサー。珍司の彼女。大のチーズとマヨネーズ好きで、得意料理は中華丼。
末岡 衆図…東京都出身。ミュージシャン。貝子の幼馴染みでもあり珍司の親友でもある。
達味 琢子…福岡県出身。ダンサー。アネゴ肌で貝子の良き相談相手料理は苦手だが、結構グルメ通
ドッディ…珍司の遊び友達でイタリア・ローマ出身のオットコトコ前君。
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このデザートも中山さんの自慢の一品。レシピが NYTimesに載った事もあるのだ。甘さ控えめの、フルーツならフルーツの味を最大限に生かしたデザートが、美しい盛り付けで出される。
「あら、電話。珍司だわ。」 珍司は、仕事が終わって『 Sui』に向かっているらしい。貝子は珍司のためにいくつかアペタイザーをお願いした。 「珍司も忙しいシーズンね。旅行会社でしょう?」 「そう。でも単純だから、美味しいものを食べさせれば、たちまち元気になるわよ。」 結構いいかげんな貝子である。そこへ、春巻きが運ばれてきた。食べると、リンゴとシナモンの香りが口いっぱいに広がる。ソースを絡めることによってリンゴの甘酸っぱさに一味ひねりが効き、美味しさが倍増。ピーナッツと生クリームで出来ている“ナッツソース”がリンゴと相性バッチリなのだ。貝子は“美味しい”を連発しながらあっという間に完食した。 「ほんと、いい食べっぷりね。惚れ惚れするわ。」 「何よ、人を珍獣みたいに。」 「ある意味、貝子は珍獣使いの方だね。」 「おー、お揃いで。どないや。」 そこに、珍獣の登場である。 「あー、疲れたわ。けどま、うまいもん食えばこんな疲れはイチコロや!」 それを聞いて、貝子が琢子に目配せする。 「ほらね?」
「ねぇねぇ、ラビオリ、味見していい?」 「えっ、貝子、まだ食べるの?」 「いいじゃない。美味しいものっていくらでも入るもん。」 貝子の手はすでにお皿に伸びている。 「大根のしゃきしゃきとかつおが合う~。それにこの味。私大好き。醤油とバルサミコ酢ね。」 美味しそうに食べる貝子に釣られ、琢子も結局箸をつける。 「ほんと、日本人の味覚にバッチリね。」 「おいおい、それは俺のお つまみ ( ・・・ ) ちゃうんかい。おまえらは、刺身の ツマ ( ・・ ) としてだな、大人しく・・・」 その途端、女性陣から冷たい視線が発せられる。 「・・・大人しくするのは俺やな、・・・あかん、今日はかなわん・・。」
「ええ。フルーツと海鮮って合うんですよ。」 「そうなんですね。考えたことはなかったけど、今日の料理で納得しました。」 珍司は箸を置くと、ゆっくりと周りを見渡した。 「しっかしこの店、落ち着いてていいなぁ。大人の雰囲気や。おっ、あれは何や。でっかい魚、食べてるで。」
しかも人を連れて行くと、その人から感謝される特典付き。事実、“素敵なお店を教えてくれてありがとう”と琢子にお礼を言った貝子は、次の日から他の友達に感謝される側にまわったのだった 。 <<前のページへ |

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