
文:ひろや
「同じ失敗は繰り返さない」をモットーにしているにも関わらず、ニワトリ並みの記憶力で都合の悪い事はどんどん忘れていってしまう。進歩が無い人類世紀最後のダメン。
全米のホームレス数、約74万人。そのうちの一人は俺だ(4月15日現在)!
しかし、こんなことでくじけたりはしない。思い返せば、東京の名所はほとんど制覇している、ホームレス経験豊富な俺。
フリーター2年目。バイトでようやく人並みに稼げるようになった俺は、ボロアパートを引き払って世田谷の閑静な住宅街に引越しをした。まだ世間知らずだった俺は、ここで調子に乗って間違えた。
収入14万円。家賃10万円。
家賃が収入の70%を占める生活。
衣・食・住のバランスが最悪! 住だけは豪華だが、食はスナックパンを一日1本。衣は、もっぱら人からのもらいもの。家に帰ると無駄に豪華なシャンデリア…。
引っ越して3ヶ月。当たり前のようにガスが止まり、次の月、電気が…。真っ暗でお湯も出ない豪華な家。内装もこって、オシャレにしたのに…。電気がつかない間接照明…。真っ暗闇の中、水で体を洗う生活を2ヶ月ほどしてようやく気づく…。引っ越さないと!
さすがに自分のアホさ加減に気づき、家を探し始めたものの、引っ越し費用がなくてそのままずるずる2ヶ月…。そんなある日、俺はすばらしい物件に巡り合う…。
目が覚めるとあたりは真っ暗なのにガヤガヤうるさい。飲みつぶれて記憶がない俺。暗闇に目が慣れてきたので、光が差し込む隙間から外の様子を覗いてみると、そこには、とても見覚えのあるあの犬が…。ハチ公!
ダンボールから頭だけ出し、状況を飲み込めずにいた俺に、ホームレスが声をかける。 「兄ちゃん、気づいたかい。ほんと飲みすぎだよ。」
前の晩、ホームレスのおっさんに絡み、なぜか一緒に酒を酌み交わした俺は、そのままダンボールで寝てしまったらしい。事情が飲み込めてほっとした(?)俺に、二日酔いが襲ってくる。そのままそこで休ませてもらってみたら、これが意外に寝心地良好…。
おっさん達と意気投合した俺は、ダンボールの家を一件もらい、そこで生活してみることに…。電気もガスも通っていないオシャレなデザイナーズマンション(家賃10万円)も、ダンボール5箱を使って組み立てた家(建築費100円←隣のおじさんから毛布購入)も、住んでみると大差ない。なんと言っても渋谷駅前の一等地! どちらかというと通勤が楽になった気が…。
1ヵ月後、兄から噂を聞きつけた母親に泣きながら実家に連れ戻されるものの、そのまま勘当され、池袋、上野でのダンボール生活に突入するのだが、これはまだ別の機会に…。
今月の教訓
「カニは甲羅に似せて穴を掘る」

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